2016年9月19日月曜日

タバコフリー社会実現へ


 昨日から神戸市ポートアイランドの兵庫医療大学キャンパスで、第5回日本タバコフリー学会が開かれていた。第1回は兵庫医療大学薬学部の東純一教授(故人)が2012年に会長をされた時に大学の学長として参加したが、あれからもう5年になる。今は顧問となっているが、久しぶりに参加してきた。改めて我が国のタバコ規制がほとんど進展していないことに愕然とした。

 このタバコ規制の話は学長時代のブログで数回(2013年)紹介しているが、映画インサイダーのモデルのジェフリー・ワイガンド博士が来られ、日本のタバコ規制への強いメッセージが思い出される。今回はカナダのジェフリー・フォン博士と同じセカンドネームで何か通じるものがあるのかと思う。このタバコフリー学会は心臓外科や心臓移植で交流の深かった薗潤先生が創設者であり、「受動喫煙のない社会=タバコのない社会の実現」を目標としている。この会で私もWHOの枠組み規制のことを知るようになった経緯がある。もともとタバコ嫌いであるが、単に臭いやら煙たいといった嫌い感情ではなく、医療者として放置できないという思いになっている。当時、兵庫医療大学をタバコフリー大学に、という試みを行ったのが懐かしい。

 さて、WHO主導でタバコ規制枠組み条約(FCTC)は20052月に発効、20043月に日本も批准している。この国際的な動きは、タバコの受動喫煙の健康への影響に科学的根拠でもって革新的な取り組みを指導している。しかし、日本は批准してもその後の取り組みや法規制は遅々として進んでいない。健康増進法が出来、受動喫煙に対しての条例での対応も神奈川県や兵庫県でも出来ているが、内容は分煙を認める本来の目標に逆行するものとなっている。つい先般、保健大臣サミットがこの神戸、ポートアイランドで行われたが、なんと神戸市は中央区(三宮中心)の道路上の喫煙場所をすべて一時的に閉鎖したということである。海外の健康担当の指導者に実態を見せないで済まそうという神戸市の姑息的な対応にはあきれかえる。せめてこの会議の後、公共道路での喫煙場所を段階的でもいいから閉鎖すべきではないでしょうか神戸市長さん、と言いたくなる。

 FCTCの具体的提案は、タバコを単なる健康の問題ではないと捉え、包括的なタバコ規制を示している。それらは、写真(健康被害)警告表示、包括的禁煙法、消費抑制のための増税(タバコ値上げ)、等7項目があり、さらに大事なことは、タバコ産業のタバコ規制策や対策への働きかけを禁止、を掲げている。我が国では批准はしたが実効性のある取り組みや法規制は殆ど手つかずと言っても良い。逆に分煙でいい(喫煙場所を作る)ということが社会に浸透してきている。行政も弱腰であるが、その背景にはたばこ産業界の圧力があるのは明白である。

 今回はカナダと韓国からの招請講演があった。カナダからはジェフリー・フォン博士(Geoffrey T. Fong, University of Waterloo and Ontario Institute for Cancer Research)が来られ、国際タバコ規制(ITC)プロジェクトの紹介と共に、FCTCが如何にエビデンスをもとにタバコ規制を進めているか、パッケージの被害写真掲載の普及やタバコ産業が如何に裏の手を使って反対運動を行っているか、など熱演された。こういうお話は国の厚生労働委員会でやってほしいし、日本のWHO支部主催で周知を図ってほしい。

 フォン博士の講演では、FCTC批准国(180か国)中43か国で完全禁煙法が出来、30か国ではタバコパッケージへの写真警告(健康被害の実際の患者や病理の写真を載せる)が実施されている。我が国では各項目を実施するための法整備が出来ていないどころか自治体は分煙方式で進んでいる。喫煙室を別に作ったらそれでおしまい、方式が広まってしまった。どうしたらいいか、を明らかにして完全禁煙を進める、これがタバコフリー学会のミッションである。大分過激であるが、そうでもしないと日本のタバコ産業有意に状況は変えられない、ということである。薗潤、薗はじめご夫妻が強力なリーダーシップで引っている。日本には未成年者喫煙禁止法があるが、選挙権年齢の引き上げで喫煙可能年齢も引き下げようという動きがある。選挙権行使と喫煙やアルコール許可は全く別の次元であり、若者の健康という点ではっきり区別すべきである。

 韓国は2015年にWHOの枠組み規制に則り、独自のタバコ規制法を制定している。そして今や禁煙活動は国を挙げて先進的に進めている。これは我が国でも認識すべきである。臓器移植でも韓国は法整備が進んで移植先進国である。両分野とも我が国は今からでも遅くない、隣国を見習うべきである。我が国のタバコ規制が進まない原因の共通認識は、財務省、JT、たばこ事業法(財務省管轄で厚労省ではない)であることも共通の認識である。昨年の第4回は愛媛大学で行われ塩崎厚労大臣が出席され、マスコミの関心も高かったが、今回は残念ながらメデイア関係者はあまり来られていなかった。学会宣言を含めどこかの新聞で紹介記事が出ることを願っている。

 タバコ産業と言えば我が国ではJTである。今やJTWHOの進める国際的なタバコ規制の動きを抑えるのに躍起である。CSR活動と言って広告業界(TV広告)と組んで国民をタバコは悪くないと色んな場面で洗脳している。分煙でみんな幸せといったことや、マナー改善でごまかそうとしている。そういう目で広告を見るとその魂胆が分かってくる。TV広告は本当に要注意である。民放だけでなく、NHKも怪しいところがある。NHKの経営委員会のメンバーに日本たばこ産業()顧問の方が委員長職務代行として名前を連ねている。委員の選任にあたりCOIはどうなっているのか疑わしいし、NHKも推して知るべしである。

 乳がんとタバコ、という特別講演が乳腺外科医の先田功先生(西宮のさきたクリニック)によって行われた。総論としてがんの原因の3分の一は喫煙であり、中でも乳がんは30歳前後から急速に罹患率が上がっているという。芸能人の乳がん発病の話題で検診率が上がっているが、喫煙が原因の中で大きな位置を占めることを社会は知るべきであろうし、マスコミも芸能人のがんの話題で検診のことは触れるがタバコとの関係はタブー視しているようだ。民放はスポンサーが目を光らしているし、TVでは先に触れたがタバコを擁護する広告が堂々とまかり通っている。匂い消しの広告に出て来る売れっ子のSM氏は、その広告が将来どう評価されるか、健康被害を助長させた典型的広告、と書かれるかもしれないことを知ってほしい。

 近頃の町で見かけるのは若い夫婦がバギーに子供さんを乗せてその両側で二人ともタバコを吸っている光景を目にする。受動喫煙の健康障害の恐ろしさを若い人々、特に女性は知るべきであろう。この学会は感情的なタバコ100%嫌い、の集団ではなく、フォン博士の講演でも分かるように科学的エビデンスに基づいたタバコ規制を進める団体である。国際的に進められているFCTCの示す項目に従っての法規制の重要性を関係者に理解してもらうべく活動している。いつも禁煙というとお医者さんがうるさく言うので、とか医師もタバコすっている人が多い、といったことで流されていることが多い。日本禁煙学会も日本学術会議もタバコ規制に大きくぶれるところはないと思われる。ただ、このタバコフリー学会はその強い意志と決意でもって、我が国からタバコを無くしていこうを頑張っている。

 くどいようだが、兵庫県はタバコの受動喫煙の防止を先取りした感じではあるが、神奈川県と共に分煙を正当化してしまったことではWHOの意図するところから逆行している。飲食店やホテルが困るといっても、国民にがんの発生を助長させるタバコを野放しにすることに加担している訳で、完全禁煙は今や先進国やアジアでも常識なっている。日本は鎖国政策から抜け出せていないと言っていい状態である。

 臓器移植が日本ではなかなか進まないが、タバコ規制と相通じるところがあると感じる。大事なことは分かるが、個人の自由も尊重しないと、といったことで国の態度は共に軟弱である。担当役所は、前者は厚労省、後者は財務省、である。数年前に国会で元神奈川県知事の松沢成文議員がタバコ規制の強化を訴えたら、麻生財務大臣は、3兆円だかタバコによる税収があるからこれは大事にしないと、という趣旨で答弁された。国民の健康や命を犠牲にしても財務収入が大事、ということである。タバコ規制のバリアーに財務省があることが良く分かるが、せめて増税で一箱1000円に力を入れて欲しい。

 大分タバコ嫌いの性分が出た内容になったが、今回の学会で、生半可な対応ではタバコ規制の目標(この学会ではタバコは博物館へ、というタイトル)達成は程遠い現実を改めて知った。フォン博士によると、日本で1年間のタバコ関連死が約13万人であり、「日本における予防可能な死因の第一位は喫煙(受動喫煙を含む)関連死」である、を最後に私からのTake Home Message とさせてもらいたい。

補足です; 

① 学会の様子はサンテレビのアナウンサーが取材され、9月29日の夜9時半からの

ニュースポートという番組で紹介されるとのことです。

http://sun-tv.co.jp/anablog/kohama/



② 韓国の取り組みは、タバコ代を一挙に200円値上げ、レストランは完全禁煙(罰則付き)、

この12月からパッケージに写真警告表示でした。





2016年9月15日木曜日

新専門医制度の準備再開、新理事会の考えは


 東北、北海道では台風10号で甚大な被害を受けられています。早く皆様の生活がもとに戻っていきますよう願っています。16号も不気味に近づいています。


 さて、新しい専門医制度の開始が1年先送り(2018年)になっているが、今後の具体的な方向が先の専門医機構の理事会(97)で決定し当日の記者会見で発表されたので紹介する。

要点として、専門医制度が学会メーンの体制になったと書かれている。
当初は、これからの医療を担う若い医師の修練制度や専門医認定はこれまでの学会主導ではなく、質の担保と制度の標準化のため第三者の認証機構が関与して行う、という根幹の旗印が下ろされてしまった。

新たな制度の根幹は修練プログラムの認定から始まる。従来は個人の臨床経験の積み重ねが幾つか自由に選べる認定施設(基準が甘い)を渡り歩いて得たものであったが、新た制度ではしっかりした指導体制(プログラム責任者の役割が大きい)のある病院群での修練と経験を基本とする、即ち「プログラム制」の導入であった。この制度の根幹となるプログラム認定基準については新たな機構に移行する過渡期に策定され、これには私も関与したが、既に多くの学会がそれに合わせて制度を再構築していた。ところが、いざスタートする間際になって一度立ち止まることになった。それはこの基準が大学病院中心で地域医療を担っている病院が基幹施設から外れ、これでは地域医療が崩壊するという医師会や地方行政側からの強いクレームが生じた。この結果、旧理事会がほぼ解散状態となり、先般新たな陣容で機構が再出発したところである。

さて、争点のこのプログラム認定基準の見直しが争点となるが、今のところ明確な内容は発表されるに至っていない。修練基幹施設の基準を実情に合ったものにする程度で、地域医療崩壊の危惧が払拭されれば、基本的には大きな変更はないものと想像される。これまで10年に近い関係者の努力(労力)を無駄にしてはいけないし、根幹から変える理由はないはずである。新理事会も、再検討はするがコンセプトを変えて白紙に戻すのではなく、これまで検討してきた成果の上に見直す、としている。 プログラム認定プロセスについても、新理事長はリセットではなくこれまで積み上げてきたものは十分生かす、とコメントしている。これで個人的には少し安心した。

では何が変わるかというと、プログラムの認定作業についてである。これまでは機構が各制度からの認定基準(修練計画と施設認定基準)をまず審査した上で承認し、ついでこれの基づいて出された個々のプログラムも機構で最終的に認定するものであったが、新たな仕組みでは具体的な認定はほぼ各学会に任せる、という変更である。これは各学会の自主性と自律性を尊重した上での話しであり、また機構が膨大な作業をこなせるかという危惧も背景にある。結果的にプロフェッショナルオートノミーに任せる、ということであり、逆に各学会はそれなりの責任が出てくるということになる。現実的な対応であるが、ピアーレビューという新制度の根幹に関わることからいうと、各学会の責任は大きいことを自覚して欲しい。あくまで専門医制度は学会のためではなく患者さんのためであり、日本の医療を良くするためである。

今回の理事会のメッセージには、サブスペシャリテーについて具体的にしている。内科と外科では基本領域の内科専門医と外科専門医の2階にそれぞれ13と4つのサブスペシャルティーがある。その他にも12領域の専門医制度が何らかの基本領域(18ある)の2階に位置されている。内科と外科では主な診療実態から言うとサブスペシャル領域(外科で消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科)が主体となることから、一階の壁を高くすると2階の資格を取るまでに期間が長くなる(卒後3年目以降、3-4年x2=6-8年)という不満が出ていた。ここでこの壁を低くして柔軟に対応するよう、1階と2階をオーバーラップさせることを認めるということである。これは外科系が既に行っているもので、今頃になって内科が追いついてきた、ということである。しかし、このことはそもそも内科専門医とか外科専門医とは何か、ということになる。これが進むとその価値を下げるものであり、今後も議論になるところである。因みに米国では長らくこの2階建てが厳しく設定され、内科専門医、一般外科専門医に社会的評価は高かったが、最近は外科系でこの1階を省略して2階のストレート方式(6年ではあるが)も並列で動き出している。ある意味社会実験であるが、日本はこんな柔軟な対応は想定出来ない。何故なのか。グルーバルスタンダードという目標を新たな制度で入れるべきと理事の時に意見を述べたが、完全無視であった。

最後に、サイトビジットのことも触れられていて。サイトビジットとは、認定されたプログラムが果たして計画通り運用され、レベルを維持しているか、専攻医は計画通り来ているか、ということを第三者を交えたチームが実地調査をすることである。これまで幾つか学会は自主的に行っていたが、新制度の一つの柱として導入すべく準備して来た。これについては、手間の問題やその評価基準を今後検討するとのことである。これはある程度制度が進まないと出来ない話ではあるが、私が旧機構の理事の時に担当した課題である。新制度への移行に当たって現状調査と試運転をすると言うことで基本領域について学会から推薦された施設を各学会からノミネートされた調査員で試行した経緯がある。調査員になって頂いた先生方は大学教授も多く、多忙のなかで参加してもらった。中には、こんな無意味なことをやらせるな、時間がない、とお叱りを受けた先生もあられたが、その結果はきちんと纏めてあるので是非参考にして欲しい。評価指標案も策定してあるが、まだ残っていることを願う。

ということが理事会で決まった、議論された内容である。専門外の方には面白くもない話しで、最後まで付き合って頂いたことに感謝。

論点としてまとめと補足をすると、

  専門医機構が新たな体制になったことで、これまで残されていた課題が明白になって、その現実的な対応で前に進み出している。
  ある意味逆戻りして学会メーンとなるが、担当学会にはプロフェッショナルオートノミーを堅持して社会が期待する制度を作る義務がある。専門医制度は学会のためではなく患者さんのためである。
  大学医学部も若手医師をどう育てるかよく考えることと、グローバルスタンダードも大事であり、日本の医師の生涯教育に関わる責任は大きい。医局員集めのために制度を使うのは本末転倒。
  ピアーレビューの制度導入に期待、
  これからの課題は、新たな制度への厚労省の役割は何か、日本医師会の役割は何か、卒後臨床研修制度との一体的生涯教育制度はどうするのか。
  厚労省は広告できる制度は続けるのか。法規制はそのままか。
  地域医療を守るのは専門医制度ばかりではないことを共通の理解とすべき。

参考文献

黒田達夫.専門制度改革の主役. 日本外科学会誌 2016; 117(5): 349
   小児外科専門医の日米の違いなど

Matsuda H. Gen Thorac Cardiovasc Surg. Where does the new regime of medical specialty certification go?  2013; 61(10): 547-50.
日本の胸部外科学会英文誌に書いたレビューです。もう3年経ちました。


2016年8月31日水曜日

8月も終わり

リオデジャネイロオリンピックで日本中が沸いた8月も今日で終わります。最後になって異常な経過を取った大型台風10号による東北・北海道での大きな被害が刻々と報道されています。我が国は毎年のように大雨と洪水・土砂崩が起こっていて自然災害の恐ろしさを目にしています。猛暑の後の秋を間近に迎えるにしては心が休まりません。洪水による被害が早く収束することを祈っています。

リオデジャネイロオリンピックは日本チームのメダルラッシュで大いに沸きました。最後の男子陸上の100x4メーターリレーの銀メダルは感動的でした。金メダルに匹敵する結果でしょう。柔道は男女ともお家芸としての伝統を復活させてことも良かったと思います。テニスの錦織圭選手がナダルを破っての銅メダルも興奮させました。女子バスケットも頑張り、体格的に大きな差がある競技での躍進も印象的でしたし、惜しくもメダルには届かなかった競技も女子体操など沢山あり、チームジャパンの全ての選手に拍手を送りたいと思います。

オリンピックで毎回思うのですが、TVの役割を今更どうこう言うつもりはないとはいえアナウンサーのメダル-メダルと叫ぶ過熱報道も鼻につきます。メダル獲得、それは大変なことで素晴らしいですが、金メダルは10数人しか取れない現実があるし、メダルに届かなかったが精一杯力を出した選手が沢山いるわけです。メダリストを支えた多くの選手にも光を当てて欲しいと思います。若い人には次がある訳ですから。とはいえ、心配されたリオでのオリンピック開催も大成功で、日本のメダル獲得も史上最高でしたし、めでたしめでたし、でした。また勝者の掲げる日の丸の美しさにも感動しました。さて次の東京はどうなるのか、今から気掛かりです。

ロンドンの時も書いたのですが、私の拘りの一つは日の丸への寄せ書きです。応援席ではありますが、多くの日の丸が振られる中で何か異様な日の丸が目に付きます。地元や会社の応援者が名前やメッセージを白地に隙間なく書いた寄せ書き日の丸です。現地に応援にいけない人の心がこもっているのでしょうし、選手も心強い応援と思います。必勝と書いた日の丸の鉢巻きも定番です。私は右翼ではありませんが、国旗は国旗であって寄せ書きをするものはないと単純に思います。せっかく美しい白地に赤が台無しです。君が代を替え歌で歌っているようなものです。太平洋戦争では戦地で故郷の人の寄せ書きされた日の丸を振る日本兵の写真と交錯して、日本と戦った国の年配の人たちはどう感じるでしょうか。日本人はオリンピックもかっての戦争と同じ悲壮感のある自己犠牲の思考なのかと思ったりします。考えすぎかと思いますが、昨日の朝日新聞の投書欄にも71歳の方が「日の丸に戦争連想」として同じような意見を書かれています。そういう視点は別にしても、美的感覚からも日の丸の白地は無垢でないと引き立ちません。東京オリンピックでは日の丸への寄せ書きがないすっきりした国旗が美しい応援になるよう願っています。

この夏はTVの歴史ものに触発されて唐津や大垣の写真を紹介しましたが、締めは福井県勝山市にある白山神社平泉寺です。福井市にある福井循環器病院を訪問した際に、大橋博和理事長(教室の同門で前院長)に良いところがあると連れて行ってもらいました。永平寺は有名ですが、その近くで観光客もまばらで、ひっそりとしたなかで素晴らしい杉木立と美しい苔の絨毯に目を見張りました。写真スポットとしては知る人ぞ知る、ではないでしょうか。暑さを忘れる一時でした。因みに福井循環器病院は別名福井心臓血圧センター、となっています。心臓血圧センターという名称は東京女子医科大が元祖です。心臓外科の黎明期の我が国を代表する外科医が榊原 仟先生ですが、先生は東大から東京女子医科大に行かれて心臓外科を始められた方です。50年ほど前は福井や日本海側には心臓外科の施設がなく、榊原 仟先生が福井ご出身であったことから福井の地元の方々が先生をお呼びして手術をしてもらうべく作った病院がルーツです。今や北陸地方有数の心臓血管センターになっています。ということで8月は終わりとします


   。









2016年8月25日木曜日

夏休み

  残暑お見舞い申し上げます。関西は相変わらず連日の猛暑が続いていて、雨も殆ど降らず、もう8月も終わりなのに秋の気配どころではありません。このままでは地球はどうなるのでしょうか。

大変ご無沙汰をしておりますが、なんとか元気にしております。ブログのネタは夏枯れといってしまえば楽ですが、何かを探す気力が薄れたのかも知れません。今年いっぱいは何とか続けてみようと思いますが、そもそもタイトルが自分に合わなくなっているのかも知れません。ということで、気楽な題材で暫く書いてみようかと思います。

ここ何年かは夏休みと言えば近場で済ましていますが、この夏は岐阜県に行ってきました。行き先は大垣城と関ヶ原古戦場跡巡りにしました。何故大垣か、ということですが、NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」で紹介されたからです。山本耕史(真田丸の石田三成役)とのコンビで、大垣城や関ヶ原古戦場跡、養老の焼き肉街道、など楽しく紹介していたので、真田丸のこともあって歴史探訪となりました。
関ヶ原古戦場跡は始めて行きました。東西の交通の要所であることを不破関跡で再確認しましたが、合戦上跡では光成の陣屋があった笹尾山(山というか丘の感じ)に。ここから各武将の陣屋の場所を想像したわけですが、天下分け目の合戦があったにしてはのんびりした場所でもありました。たった一日で決着がついた戦いを想像するにはあまりにのどかな気配に時代の流れと言いますか400年の歴史を感じました。
大垣城も始めて行きました。街の中心のビルが立て込んだ中に天守閣だけが復元されていました。とはいえ周囲には堀の後や屋敷跡が覗われ、歴代の城主である戸田家の記念館もあり、当時を偲びながらの散策。堀は今も運河として残されていました。TVの放送をフォローして商店街で水まんじゅう入りのかき氷で一服。大垣は松尾芭蕉の奥の細道の終点(むすびの地)でもあり立派な記念館が建っていました。その足蹠を見て驚くのは、関ヶ原古戦場跡の戦いから80年ほどして江戸から出発し、奥州、北陸道をへて大垣まで全行程2千キロを超す行程を2年ほどで踏破していることです。歩くだけでなくそれぞれの地で歌を歌い、地域の人々と交流しながらです。芭蕉は大垣に4回訪れたそうですが、ここがむすびの地となっています。芭蕉の有名な句、「夏草や兵どもが夢の跡」は平泉ですが、関ヶ原古戦の合戦場跡について芭蕉はどう読んだのか、記念館では見落としたようです。大垣では「蛤のふたみに別 行く秋そ」がありました。
焼き肉街道は通っただけですが、養老の滝は暑い中でしたがしっかり歩いて行ってきました。帰りには養老サイダーで一息。ここの水は古くから(700年ごろ)天皇が若返りの水として重宝したそうです。養老は今で言えば年寄り相手の言葉のようですが、語源的には「養」にアンチ(抗)、という意味があったのですかね。


後書き;下記は既に投稿してました。二重投稿ですいません。

ということで、関ヶ原古戦場跡、大垣巡りの紹介でした。真田丸と言えば、7月に福岡であった学会中に唐津までJRで脚を伸ばし、そこからバスで名護屋城跡も見てきました。朝鮮や明への派兵のために、この場所にこんな大きな城を作った秀吉の天下人としての力には驚嘆するものの、それ以上に負の側面が大きかったことに心が傷む感じでした。丁度終戦記念日も近く、そこに太平洋戦争にも繋がるものを感じてしまいました。




                                 


これは名護屋城跡です。

2016年7月30日土曜日

新専門医制度、先送り決まる


   暑中お見舞い申しあげます。 皆様如何お過ごしですか。7月も何とか複数の投稿となりました。なお、前回の薬剤師さん関係の投稿には、日本在宅薬学会の皆様から沢山アクセスがあったようで感謝です。

 新しい制度の開始は294月開始へと当初予定から1年先送りとすることが、リセットされた専門医制度理事会で決まり、公表された。日本外科学会の専門医制度関連の協議会でもこれが了承され、28年度はこれまでの制度で継続することも了承された。1階部分の専門分野(学会)の対応は基本的にはこれに従うが、これまで精力的に準備してきた学会はある意味前倒し的な移行も考えているようで、そこも今後の混乱の種になるのではないか。

新たな機構への出直しの実態が機構の社員総会議事録や新たな理事メンバーを見ると分かってくる。前にも書いたが、この制度改革はあくまで我が国の医師の卒後3年目から生涯教育の基本作りであり、質の担保と標準化であって地域医療や診療科偏在云々は二次的なものである。しかし、県知事や厚労大臣まで出て来るに至って、またこれまで傍観的であった日本医師会が中核的に乗り込んできてしまったのは何故か。本来求めてきた医師の質の担保と専門教育の仕組みを生涯教育の中できちんと制度化し、グルーバルな視点での我が国の医療の向上を図ったものが、一部の地区であろうが地域の自治体病院や中核病院の医師の不足に拍車をかけるという喧伝に惑わされたものと理解している。

私もかって新制度改革でもって診療科偏在や地域医療崩壊の是正を、と書いたことがある。これは何も行政に尻尾を振ったものではなく、医師のプロフェッションが何もしないで漫然としていたらそのうち地域医療を崩壊させたのは医師集団だと、社会からのバッシングが来ることを考えろ、という趣旨である。お上から指図される前に自分達が先取りしないと、ということであったが、杞憂は現実となったようで大変残念である。

正直なところ、新制度実施に向けた第一次機構理事会(今回解散したもの)の問題もあるが、広報と説明不足があったとはいえここまでひどい結果になったのは、根幹にある専門医制度改革理念と各医学系学会の思惑(立場、学会会員確保)の違いと共に、我が国特有の大学医局制度、大学院制度と関連病院人事、とこの制度改革とのミスマッチであろう。このところを正面切ってではなく、何とか柔軟に双方のメンツも保って、という思惑が瓦解してしまったともいえる。実際、新たな機構理事会メンバーを見ても誰しも驚くことは、アドバイザー的な役割を果たすべき人が理事になっている訳で、これまで積み上げてきたところを1年で軌道修正するには実務者的な人がいるのではないか。再任が二人だけというのでは卓袱台をひっくり返したに等しいのではないか。新理事会はまさに船頭多くして船山に上る、ということになるのではないか危惧するが、これまで理事として頑張ってきた方が新理事長であることが唯一の救いではないか。

というわけで、新たな機構の船出に対して厳しいコメントではあるが、こういう意見が既に出ていることは関係者の周知のことであり、後付けながら書かせてもらった次第です。

大変暑い日が続いていますが、皆様熱中症にはくれぐれもご注意を。と言ってもこれは自分へのことでしょう。

追記 日本外科学会の会員へのお知らせを掲載します。来年4月から後期研修を外科で開始しようとする人への案内ですが、旧制度で行うので問題ないとされています。 一方、新たな制度でのプログラムとして学会が認めた188についても見切り発車を認めています。来年開始の研修医はある意味ダブルスタンダードでトレーニングが進むわけです。この188プログラムは新機構での承認がまだ出来ていない訳ですが、それを仮発進させるということは、地域医療が混乱すると社会的問題化している中で、自分たちは何ら反省というか振り返りがないのはどうかと思います。外科希望者を大事にするということですが、自分たちを大事にすること、自己組織温存、という考えが気になります。








2016年7月24日日曜日

在宅薬学会

 暑中お見舞い申し上げます。7月になってやっと一つアップです。夏バテでしょうか。

今回は薬剤師のチーム医療のなかでの最近の動きについて、久しぶりのテーマですが報告します。


先般、大阪で第9回日本在宅薬学会学術集会がありました。理事長というか仕掛け人は大学医局の後輩の狭間研至博士です。「外科医、薬局に帰る」の狭間医師で、薬剤師のバイタルサイン講習会の推進者でもあります。超高齢化社会の医療のなかで社会性が高い在宅医療ですが、国も地域包括ケア施策やかかり附け薬局を提示しています。そういうなかで薬剤師の新たな役割が出て来るところを先取りして7年前に学会にしたわけですが、私は学術顧問という格好で兵庫医療大学在職中から関わっているところです。6年制薬学教育が始まって10年、新制度薬剤師が世に出されて4年になる計算ですが、新制度薬剤師の活躍の場として在宅がどういう位置にあるのかという興味もあります。またかねて提唱してきたチーム医療の在り方を考える上でも在宅医療は大変重要で、特に薬剤師の役割次第で在宅医療の改革も進むと思われます。

今回の学会のメインテーマは「薬剤師の果たす使命、負うべき責任」、としており、それを多方面から議論した学会でした。行政、医師を交えての議論で盛り上がり、個別テーマでは、在宅療養支援はもとより地域包括ケア、健康サポーと薬局とセルフメデイケーション、ポリファーマシー、薬薬連携、機能性食品、認定薬剤師、摂食嚥下障害、そして薬学実務実習、と多彩でした。学会の様子は学会のHPで見ることが出来ます(congress.jahcp.org)。全体に紹介はさておき、個人的に興味があったところを幾つかピックしながら、学会参加記、とします。

 行政からとして、厚労省に長くおられ今は国立がんセンター中央病院に移られた中井清人先生が講演されました。薬剤師への期待も大きく、在宅の現場から薬剤師が関与したらどう変わるかのエビデンスを作って日本の医療のなかでの薬剤師の役割を強めて欲しいという熱いメッセージでした。次いで、在宅でよく話題になるポリファーマシーについては、かかり付け医師、かかり付け薬剤師の連携でもって在宅患者の投薬一元化が求められ、これに対して現場からの種々の意見が交わされました。自治体病院では地域医療連絡支援室がこの問題を意識して薬剤師と共に取り組んでいるようです。この問題は薬剤の副作用とともに無駄な投薬、医療費無駄使い、という二面の問題がりありますが、処方を出す医師側への取り組みも神戸大学病院から提示されました。この学会の前に別の医療関係のセミナーで、臨床現場での薬剤師の役割、というものがあって参加してきたのですが、地元医師会のお偉方も来られていました。ポリファーマシーについては処方箋を出す医師側の問題意識はそう高くなく、特に開業医ではその傾向が高いのかと思ったのですが、実は中核的総合病院の薬剤部長さんの言ではこの課題への病院(医師側)の取り組みはあまり現実的ではないという話でもありました。この問題には地域性があるように感じました。

地域の中核病院の話としては、特別企画(ランチョンセミナー)で神戸中央市民病院薬剤部橋田亨部長の話がありました。地域の中核病院として確固たる実績を上げている病院ですが、その中で薬剤師レジデント制度について紹介されました。この薬剤師レジデント制度は私が兵庫医療大学時代に力を入れた一つで、その後どうなったかも含め興味があったところです。橋田部長はこのレジデント制度の牽引役でもあり、中央市民病院で実績を上げていることが良くわかりました。また全国的にも当初の兵庫医科大病院を皮切りに今やかなりの病院でこの制度が広まってきています。神戸中央市民病院では新卒者だけではなく、現役の薬剤師さんも参加していることからも薬剤師の生涯教育のかなで立場が認識されてきているようで大変嬉しかった次第です。6年生薬剤師の新卒者の就職先が調剤薬局やドラッグストア―にシフトして病院薬剤師への道が拡大していない現状で、このレジデント制度をどう活用するか、現場(大学病院など)の意識改革が要ると改めて感じています。まずしっかりとした処遇対応をしないといけないとのではないでしょうか。

 薬学教育についても講演があり、学生の実務実習の見直しがされるようで、平成30年のコアカリ改定の紹介がありました。これまでの5カ月間の期間を病院と薬局に二分して、それらの連携もなかったことから、この二つをかなり融合させるような柔軟な対応がとられるようです。それはそれでいいのですが、実習期間については事前学習を含め全体で6カ月というのは変らないようであります。当時から、いろんな席で6カ月では短いと主張してきたことを思いだした次第です。とはいえ、実習受け入れ病院や指導できる調剤薬局の数も含めた体制が整われない限りなかなか進展は難しいと思います。

 学会参加者が1500人ほどで、年々増えていて盛況ですがまだまだ小さな組織であり、ここ数年が正念場と言えます。バイタルサイン、チーム医療(多職種間連携)、かかり付け薬剤師、というキーワードに加えて次に何を持ってくるかが問われていると感じます。学会のテーマである「薬剤師の果たす使命、負うべき責任」を考えると、「社会が認める新たな時代の薬剤師作り」、でしょう。そのためには、認定制度を含めしっかりした継続教育と多職種連携のなかでの実績作り、が求められます。

 以上、摘み食い的な紹介でしたが、薬剤師は変るぞ、という熱気がむんむんとした学会でした。医師も頑張らねば、です。

 写真は、関係ないですがその前にあった福岡であった学会で、唐津まで足を延ばして、名護屋城跡を訪れてきました。真田丸に刺激されての訪問でした。




2016年6月30日木曜日

何処に行くのか新専門医制度 Leave or Stay?

もう6月も終わりで明日から年の後半に入る。今月の世界ニュースは何と言っても英国の国民投票でEU離脱(Brexit)が決まり、世界を驚かせた。これから欧州はどうなるのか、いや世界は、そして日本は、と何かが起こる連鎖の始まりのようである。アメリカは集団銃殺害事件があっても銃販売規制は変えないという西部劇時代の延長緯線にあり、先日はイスタンブール空港でのテロと、世界の政情は不安定である。同時にアメリカの存在感も薄れてロシアと中国が好機到来と権力拡大を図る様子が窺える。一方我が国は舛添東京都知事辞職でマスコミも政治家もそれぞれの本来の役割は何かを自覚しない未熟さを露呈し、参議院選挙をみると衆議院の選挙と変わりなく、政治も社会も国会の二院制とは何かが全く分かっていない、というか無視した状況で、我が国の議会制度は今後どうなるのか懸念される。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたが、急に選挙と言っても、今の若者は普段から自分の考えを持ってそれをしっかり人前で言える訓練が出来ていないし、新聞は読まない、ネットやスマホ依存、社会への無関心、という背景がある中での選挙である。そもそも選挙年齢の引き下げより議員の数を減らす方が先ではないか。

今回は社会問題ともなりつつある新専門医制度について動きがあったので紹介する。いよいよ来年から新制度が始まろうとするなかで、新たな制度では地域医療が崩壊する、という時期尚早論が大合唱的に病院関連の団体や地方の行政側、そして日本医師会から出て、実施計画にブレーキが掛かったことは紹介した。地元兵庫県も井戸知事が関西広域連合の代表として各知事の連盟で待ったを掛けてきた。専門医制度を取り仕切る機構が問題であり、組織構築の改革が必要との意見が日本医師会主導で急速に進んだ。そして、先日、新しい理事会構成員が決まった。理事が20名以上という大組織で、これまで新制度移行に手弁当で頑張ってきた理事はほとんど再任されず、日本医師会寄りのメンバーが連なっているようである。兵庫県井戸知事も理事の一人とは失礼ながら何をかいわんや、である。学識経験者も多いが、医師の生涯教育に精通した方ではなく、この機構は何をするのかが全く分からない。というか、これまで作ってきたものを一からやり直す、ということにしか見えない。それは許されないであろう。

私自身が旧機構で担当したのは制度の要ともいえるプログラム制の基準案作りであった。その後の新機構の理事ではなくなったので最後の準備には関与していないが、当時の作った側から見て新たなプログラム制の問題点を敢えて言えば基幹施設の決め方であった。2004年開始の新臨床研修医制度の登場で痛い目にあっている地方大学にも光を、ということで基幹施設(プログラムの取りまとめ役)を大学病院主体とし、一方で地域医療の維持、医師の偏在を助長させない、ということを忘れないで何とか踏み出そうとした。基幹施設は大学病院だけでなく地域の中核的総合病院も可能としたが、いざ準備を始めてみると(内科外科といった基本領域のみでの準備)、大都会の大学病院が張り切ってこれまで以上に人集めをするような気配が出てきたし、実際にある県では外科プログラムが大学一つという案や、全国に散らばった関連病院を全部まとめて広域のプログラムを作ったり、大きは大学医局がこれ機会に教室員集めに乗り出した。ということで地域医療を何とか改善しようとする側からの不安感が出てきたようである。これを見て、地域の行政(県立などの公立病院の医師を掌握している)が医師会と共に異議を唱えるに至った、という背景と認識している。医局講座制という我が国の独特の仕組みが医師の配置や地域寮への貢献があるにも関わらず新制度のスタートで足を引っ張ったとも見れる。本意ではないが、外からはそう見られてしまったところが誤算であろう。

ネットでも今回の騒動で機構と厚労省がやり玉(悪者)に挙げられているが、注意しないといけないのは、地域医療とへき地医療を混同している所である。それと機構が何とか厚労省の目論みの医師偏在是正をそのまま制度で導入するのではなく、結果としてそういう方向が出ればいい、という所に持って行って、医師というプロフェッションの矜持を維持すべく努力していることへの理解不足であろう。この専門医制度を悪とするなら、医師の質の担保と生涯教育の制度つくりは昭和時代に逆戻りし、世界から笑われ、国民が期待する良質の医療が提供でいなくなる恐れがあることも理解すべきである。

とはいえ、新理事会の構成員をみて日本医師会よりと思わずにはおられない。それが悪いという訳ではないが、日本医師会はこれまで勤務医主体の専門医制度には無関心で、医師の生涯教育制度構築については海外との大きなギャップを残したままであることを忘れてほしくはない。覇権主義的に走っているのではないかと危惧する。今求められているのは、プログラム認定基準の基幹施設の所を修正することである。これで心配事はほとんど解消されるのであって、これほどの機構そのものの大改革は必要がないはずである。地方の医療に関わる方々の懸念を払しょくするプログラム認定基準の一部改訂が済めば、また元に戻るくらいがいいのではと思う。現職知事さん始め大御所ばかりが集まっても、皆が利益代表的に集まっては収拾が付かないであろう。実際、大御所は理事ではなくご意見番での参加が本来の姿であろう。船頭多くして船山に上る、にならないよう願う次第である。機構の予算も乏しく、というより予算基盤がない状況で、20人以上の理事や監事が手弁当で集まる理事会も、交通費だけでも大変と思う。

新しい専門医制度の目的が正しく理解され、潰すのではなく何が問題でどうしたら良いかの論点整理改めて行う必要があるのではないか。今の機構の努力がなぜこういう破たんともいえる状況になったか検証も必要であるが、今は前向きに議論を進める時期である。要は、次世代の医療を担う医師を目標を持たせて育て、その人たちが十分活躍して日本の医療をさらに発展させることであり、その為には専門医制度が要るという共通の理解が要る。一方で専門医資格取得へのインセンティブを堂々と要求するには、まずは今しっかりと制度作を始めないと社会は付いてこないことも理解すべきであろう。

追記、外科専門医制度とその2階の部分は既に十分準備が出来ているので、新機構の意向とどう向き合うのかが注目される。Brexitのような新機構離脱、とはならないとは思うが。
Leave or Stayが我が国でもあるのか。