2013年10月24日木曜日

 受動喫煙禁止法、予算委員会質疑から

  先日より車の運転中にNHKの国会予算員会中継を聞いているが、今日は受動喫煙についての質疑が耳に飛び込んできた。質問者はかなり突っ込んで安倍首相に日本の対応が遅れていることを追及していた。誰かというと、前神奈川県知事、参議院議員の松沢成文人さんです。スモークフリー協会代表理事であり、県知事の時に我が国で初めての受動喫煙禁止条例を成立させた方である。熱のこもった納得のいく追及であった。 この件では昨年4月に兵庫県が健康増進法成立後初めて自治体で受動喫煙に関する条例を出したが、その時の議論はワイガンド博士と再会、という題で以前の学長ブログに書かせてもらっている(平成24年9月17日)。

   FTCTと呼ばれるWHOが2005年に発効したタバコ規制枠組み条約があって、日本も批准しながら生ぬるい対応が続いている。兵庫県も分煙を積極的に容認する腰砕けの条例となったことは周知のことでもある。松沢議員は、世界的にも恥ずかしい位の政府の対応を非難し、特にオリンピックの招致とからめてWHOのオリンピック開催においての条件であるたばこ規制(受動喫防止の法的整備)をしないでどうするのだ、そんな「おもてなし」はないからと、首相の決断を促した。努力義務ではなく罰則を作っての対応が世界標準であり、少なくとも東京都はこれを実行しないといけない立場にある、という論点であった。    

   松沢議員は、JTの存在もちょっと指摘し、財務省は及び腰で厚労省は財務省に頭が上がらない、と責めていた。肝心の安倍総理は暖簾に腕押しで、正面からやる気配はうかがえず、総論的答弁であった。広い国民の意見を集めて云々であり、要はタバコを吸う人や、お客さん商売の方々の意見を聞くということのようにも取れる。まあ、首相が、ハイ、ではやります、とは言えないにしろ、もうひとつ前向きな答弁が出なかったのは残念である。 なお、この質疑をマスコミがどう取り扱うか見ものである。

   追伸: 夜になってネットで調べると、時事通信ウエブ版で紹介されていた。首相が自分の経験から、受動喫煙を不快、ということで捉えておられるようで、失礼ながら本質をよく理解されていないのか、あるいは分かっていて避けておられるのか。
   以下参照 「24〜25歳までたばこを吸っていたが、受動喫煙がいかに不愉快かは、やめた途端によく分かる」。安倍晋三首相は24日の参院予算委員会で、自らの喫煙歴を明かし、受動喫煙への不快さを訴える人に理解を示した。みんなの党の松沢成文氏への答弁。

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